リバウンドと更年期のおはなし〜「戻ってしまう…」をちょっとだけ疑ってみる
体重計に乗るたびに、ため息が出る…
「前回うまくいったやり方が、今回はうまくいかない」
「むしろ前より戻りが早い気がする」
「もしかして、これって更年期?」
そんな声を、お聞きします。
40代後半、50代に入ったあたりから「なんか身体が言うことをきかない」と感じる方はおられると思います。そして、リバウンドの経験が一度でもある方は、次のダイエットへの一歩を踏み出すのが、ずいぶん重たく感じてしまう。
今日のお話は、その重たさを少しだけ軽くする話です。
リバウンドは「意志の弱さ」ではありません
世の中ではよく「リバウンドする人は意志が弱い」「結局は続けられないだけ」と言われます。
でも、ちょっとだけ疑ってみてください。
リバウンドは、身体がちゃんと働いている証拠 でもあるんです。
人の身体は、食べる量がぐっと減ると「いま飢餓(キガ)が来ているらしい」と判断します。すると、エネルギーを使わないモードに切り替わる。心拍が落ち着き、体温がじわっと下がり、動くのが億劫になる——いわゆる「節約モード」です。
これは、何万年も前から命を守ってくれてきた、身体の素晴らしい仕組みです。
ところがダイエットをやめて元の食事に戻ると、身体はまだ「飢餓モード」のまま。同じ量を食べても、貯め込み方が前より上手になっている。これがリバウンドの正体です。
つまり、リバウンドは「意志の問題」ではなく、「身体が学習した結果」。学習させてしまったのなら、異なる学習を自分の細胞にさせればいい。そう考えると、ちょっと気が楽になりませんか。
更年期は「衰え」ではなく「組み替え」
更年期に入ると、女性ホルモンの量がだんだん変化していきます。
「代謝が落ちた」「疲れが抜けない」「気分が揺れやすい」——よく聞くフレーズですよね。世の中ではこれを「衰え」と表現することが多い。
でも、ちょっとだけ疑ってみてください。
更年期は、身体が「次のステージ用の設計」に組み替わっている時期。妊娠・出産を支えるための仕組みから、もっと長く・もっと静かに自分のために生きていくための仕組みへ。シャットダウンではなく、リデザインです。
そう捉えると、するべきことが見えてきます。
「落ちた代謝を無理やり持ち上げる」のではなく、「組み替わった身体に合うやり方をもう一度覚える」。これだけです。
「戻らない身体」をつくる3つの軸
リバウンドしにくく、更年期も穏やかに過ごせる身体には、共通する3つの軸があります。世間で言う「ダイエットの常識」とは少し違うかもしれません。
軸1|筋肉を「減らさない」を最優先にする
更年期以降、何もしないと筋肉は年々減っていきます。
筋肉が減ると、基礎代謝が落ちる。代謝が落ちると、同じ食事量でも余りやすい。余ったエネルギーは脂肪として蓄えられる——という流れになります。
だから、今この時期に大切なのは「痩せること」よりも、まず「筋肉を減らさないこと」。
そのためには:
- たんぱく質を毎食、手のひら1枚分(お肉・お魚・卵・大豆製品のいずれか)
- 週に2回、少し負荷のかかる動き(重いものを持つ、立ち座りをゆっくり、階段を使うでもOK)
- 睡眠を6〜7時間(筋肉の修復は寝ている間に起こります)
「いきなりジムは難しい」という方は、家の階段を無駄に上り下りするだけでも、立派な筋トレです。
軸2|「省エネモード」を解除する
リバウンドの背景にある「省エネモード」。これを解除するには、身体に 「もう飢餓は来ないよ」というシグナル を送り続けることが必要です。
そのシグナルとは:
- 食事を抜かない(特に朝)
- 無理な糖質カットをやめる(脳のエネルギー源です)
- 冷たい水・冷たい飲み物を減らす(内臓を冷やさない)
- 湯船に1分でも浸かる(深部体温を上げる)
つまり、減らすより「足す」「整える」の方向です。LASHIKでお伝えしている「足し算からの食事」と同じ考え方ですね。
身体が「あ、安心していいんだ」と感じてくれると、省エネモードはじわっと解除されていきます。早ければ2〜3週間で、夕方の冷え方や疲れ方が変わってくる方もいらっしゃいます。
軸3|「鉄・マグネシウム・ビタミンB群」を意識する
更年期世代の方の不調の多くに、栄養素の不足 が隠れています。
特に大切なのが、細胞の中のミトコンドリア(エネルギーをつくる小さな工場)を元気にしてくれる3つ:
- 鉄 … レバー、赤身肉、あさり、ほうれん草、小松菜
- マグネシウム … ナッツ、海藻、玄米、豆類、ほうれん草
- ビタミンB群 … 豚肉、レバー、卵、納豆、玄米、青魚
「サプリで一気に補う」のもいいのですが、できれば食事から少しずつ。毎日の食事に、ひとつずつ加えていく感覚で始めてみてください。
「疲れやすい」「甘いものが急に欲しくなる」が口グセだった方が、この3つを意識し始めて1ヶ月で「あれ、最近甘いもの食べなくてもいけるなー」と気づかれることが、よくあります。
「直そう」ではなく「育てよう」
ここまで読んで、もしかしたら「やることが多そう」と感じたかもしれません。
でも、全部いっぺんに始める必要はありません。
LASHIKがいつもお伝えしているのは、「姿勢は結果」「身体は育てるもの」 という考え方です。
「太ったから痩せる」ではなく、「ちゃんと使える身体を育てる」。
「リバウンドしたから次は厳しく」ではなく、「身体が安心できる環境を整える」。
「更年期だから諦める」ではなく、「組み替わった身体のクセを知っていく」。
ピラティスや筋トレは、そのための手段のひとつにすぎません。だから、合うものを、合うときに、合うペースで取り入れていけばいい。
タイプ別 ── 最初の1つだけ選ぶなら
「結局、何から始めればいいの?」という方へ。次の中から、まず1つだけ選んでみてください。
- 「とにかく疲れやすい」が口グセの方 → 鉄・マグネシウム・ビタミンB群のうち、ひとつ多めに食べてみる(今日のお味噌汁に小松菜を一束、など)
- 「最近、冷えが気になる」方 → 湯船に1分浸かる日を週3回つくる
- 「もう何度もリバウンドして自信がない」方 → まず「朝ごはんに手のひら1枚分のたんぱく質」を3日だけ続けてみる
3日続けば、3週間続きます。3週間続けば、3ヶ月続きます。
一人で頑張らなくていい時期です
40代後半〜50代は、お子さんが手を離れたり、親の介護が始まったり、仕事の役割が変わったり——人生のなかでも特に揺らぎやすい時期です。
そんな時期に「ダイエット」を一人で抱え込むのは、しんどいと思います。
LASHIKでは、その日の体調・気分・身体の状態を見ながらプログラムを組みます。「今日はちょっと疲れている」「今日は更年期の波で気分が落ちている」——そのまま伝えていただいて大丈夫です。
更年期世代の方には、ピラティスで身体の内側に意識を向けるところから始めていただくことが多いです。激しい運動ではなく、まず自分の身体を「知る」ところから。
ピラティスは手段、筋トレも手段。本当の目的は、これから20年・30年と付き合っていく自分の身体と、もう一度仲良くなること です。
ご興味があれば、体験レッスンでお会いしましょう。